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吉本興業・東京本部の社員食堂をプロデュース。開発秘話に迫る !!

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吉本興業株式会社の東京本部1階にある社員食堂「Munch Lunch(マンチ ランチ)」。店舗名「Munch Lunch」には“モグモグ食べる”という意味があります。

食事の時間が不規則になりがちな吉本興業で働く方々が、決まった時間にご飯を食べられる場所。栄養バランスの良い、温かい、おいしいものが食べられて、ごはんで元気に健康になれる食堂。打合せや収録、取材などで来た芸人さん、普段は地方事務所で働く社員が、東京本部に来たら立ち寄りたくなる食堂を目指し、つくられたそうです。

実はこのプロジェクトのプロデュースに参画しているのが、株式会社DDホールディングス 社長室の青木さんと株式会社ダイヤモンドダイニング 第3事業部料理長の永田さん。

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青木 俊之(Toshiyuki Aoki)
株式会社DDホールディングス
執行役員 社長室長

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永田 優(Yu Nagata)
株式会社ダイヤモンドダイニング
第3事業部 事業部料理長

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今回の仕事が初タッグだったそうですが、絶妙なコンビネーションで息もぴったり。そんなお二人に、梅雨明けが発表され夏本番を迎えた7月初旬、旧小学校をリノベーションした吉本興業 東京本部オフィスにてメニュー開発秘話など話を聞いてみました。

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“飲食店開業ノウハウをいかして”

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—— 食堂のオープンにあたって具体的にどんなことをお手伝いされたのですか?

青木 厨房・内装の設計プランはほぼ完成の状態からお引き受けさせていただきましたので、設計プランをあまり変更せずにその環境の下で人材の確保、メニュー開発、スタッフ教育、細かい備品関係のアドバイス、食材の仕入れを行いました。

—— 厨房レイアウトは大事なところですよね。それが決まった状態でやるにあたって苦労したことはありますか?

永田 厨房機器に関しては、若干アドバイスができる余地はありました。当初の設計ですと、冷蔵庫が2機しかありませんでしたし、冷凍スペースも全くありませんでした。軽飲食しか提供できない設備スペックでしたので、現在の品数100食に耐えれるような厨房レイアウトに一部変更し、スペックアップしました。

—— スタッフの採用はどのようにされたのでしょうか?

青木 スタッフは基本的に芸人さんです。吉本興業に所属している芸人さんから募集をしてパートナー採用しています。

—— 特殊ですね。採用基準などはありますか?

青木 基本的には設けていないです。あくまでもタレントという職業がメインの仕事でいらっしゃいますので、アピアランス面もあまり厳しくしていません。この食堂独自でつくったハウスルールに則って働いてもらっています。

—— 料理長も芸人さんを採用されたのですか?

青木 料理長は紹介会社を通じて採用しました。大阪出身で濃い目のキャラで売り込みも上手く(笑)、集団給食事業に携わっていた経歴や真面目な性格と人柄の良さに期待して採用しました。

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社員食堂「Munch Lunch」で料理長を務める濱さん(写真右)。

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—— 永田さんから見て料理センスはどうですか?

永田 そうですね…(笑)。ふぐ調理師免許を取得されていますし、集団給食の調理経験も長く、素晴らしい技術をお持ちです。あとは食のトレンドにアンテナを貼ったり、お客様視点で行動したりすることに注力してもらえたらと思いますね。そのようなポイントは随時アドバイスをしています。

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“メニュー開発はトレンドや季節感を軸に”

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—— メニュー開発はどのように行ったのでしょうか?

永田 大﨑社長からは、大﨑家秘伝の唐揚げをメニューに入れて欲しいというリクエストをいただきましたので、そこをベースに組み立てていきました。まずは、和食、洋食、中華、3つのカテゴリーで固定メニューをつくり、女性をターゲットとした季節感のあるメニューとシズル感やボリュームのあるメニュー、2品を月替りメニューにすることにしました。全5品で価格は全て500円均一です。

オープン初月のメニューは、鶏の唐揚げ膳(洋食)、角煮と根菜の黒酢あんかけ(中華)、本日のお魚御膳(和食)。月替りメニューは、リブロースステーキ膳とスンドゥブチゲ鍋。メインの他、セルフサービスでご飯とカレーとサラダが食べ放題になります。お米は白米と五穀米の2種類から選べるようにしました。

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—— カレーも食べ放題ですか?!

永田 はい。特にカレーにはこだわりました。吉本興業本社のある大阪で人気のある有名カレー店をベンチマークしてつくりました。最初は甘みがきて、後から辛さがガツンとくる味を目指しました。フルーツの甘みと香りが生きたマンゴーチャツネとピーナッツバターが隠し味です。

—— 出数が一番多いメニューは何ですか?

永田 リブロースステーキ膳ですね。いわゆる高原価の商品です。翌月は国産牛すき鍋御膳を提供しましたが、やはり人気がありましたね。数量限定なので、出数が伸びるというよりは最初に売り切れになるメニューです。

—— リブロースステーキも500円?!

永田 そうです。量は150gと結構ガッツリです。20食限定メニューですので先着順となりますが、ほぼ10分で完売します。オープンしてから最初の20食は、ほぼリブロースステーキ膳でした。

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“大﨑社長の家庭に伝わる秘伝の唐揚げをメニュー化”

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—— 大﨑社長は唐揚げにこだわったとおっしゃっていましたが、どのあたりが特徴的なのですか?

永田 大﨑社長直伝のレシピに関しては、息子さんから教わって再現しました。味醂や酒を入れるのが一般的ですが、味付けはシンプルに醤油だけ。生姜とニンニクがたっぷり効いているのでご飯がすすみますね。僕は今まで食べたことがなかったですが、大﨑社長のリクエストで好物の紅生姜の天ぷらを添えています。

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鶏の唐揚げ膳 500円

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“お客様満足度をさらに追求していく”

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—— 今後はどのように携わっていくのですか?

青木 日々の研鑽により、ようやく軌道に乗ってきました。店舗でのメニュー開発と運営スキルがまだ不足しているので、管理系と言いますか、お店のクオリティー意識、メニュー開発、そこにより注力を置きたいですね。

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—— 今後提供してみたいメニューはありますか?

永田 現状は1ヶ月間同じメニューを提供していますので、「飽き」が発生してしまうのが課題の一つです。月終わりになると出数も低下しますので、日替わりメニューも提供していけたらと考えています。

また、1ヶ月ごとに季節感のある商品を入れていこうと、7月は夏季メニューとして冷やし中華を提供しています。具材は、豚しゃぶ肉、レッドスプラウト、ゆで卵、チェリートマト、アーリーレッド、きゅうり、カイワレ、ミョウガの8種類。冷やし中華の具材としては、錦糸卵やハムが一般的ですが、女性を意識したおしゃれな感じにしたいと思い考案しました。豚肉と相性の良い胡麻ベースのタレを絡めて、お好みで紅生姜、辛子、辣油を添えてお召し上がりいただきます。

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冷やし中華 500円 *7月限定の夏季メニュー

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青木 今後はさらにバリエーション豊かなメニューを提供していきたいと思います。設備スペックも十分ですので、フレキシブルな対応が可能です。MD(マーチャンダイジング)からオペレーションの確立まで一緒に取り組んでいきたいと考えています。

—— 今後の課題や改善点などありますか?

永田 本格的に暑くなるにつれて、衛生管理の徹底が非常に重要です。社員食堂という特殊な業態なので、用心に用心を重ねるに越したことはないと思っています。食品衛生管理の強化が今後の課題。外部の検査機関などに委託することも含め検討していきたいですね。

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永田 あとは物流。これが一番頭を悩ますところです。なかなかイメージ通りに運ばないのですが、100食とはいえ個々の食材ごとに専門性を高めた仕入れの強化が必須だと考えています。

青木 今は限定100食ですので出数のバラつきはあります。社員の皆さんが外出されているときは当然出数は落ちますし、雨の時の方が出数が良いということもあります。かなりのボリュームと内容の商品が500円で食べられるので、皆さまからのクレーム等は耳に届きませんが、メニュー数をもっと増やして欲しい気持ちはあると思いますので、そのような要望にはお応えしていきたいですね。

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