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ハワイNo.1のレストランを目指して。パリで研鑽を積んだシェフと稲本健一が仕掛ける『PARIS.HAWAII』 ビハインド・ストーリー。

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ハワイ・ワイキキにZETTON,INC. 5店舗目となる『PARIS.HAWAII(パリ ハワイ)』がついにオープンした。

ZETTON.INC. を率いる稲本健一からシェフを任されたのが、フランス・パリにあるのカジュアルビストロ「クラウン バー(Clown Bar)」でスーシェフを務めていた山中 祐哉だ。

『PARIS.HAWAII』が誕生するまでのビハインド・ストーリーとして、昨年11月末に開催されたトライアルディナー、改装工事真っ只中の店内で、店づくりについて迫ったインタビューを秘蔵公開。

どんな店づくりを目指すのか。『PARIS.HAWAII』にかける想いとは。

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“築79年古き良き歴史的建造物に感じたパッション”

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—— なぜこの場所に出店しようと思ったのでしょうか。

稲本 いくつかの出店の場所の候補の中、ある意味一番難しい物件を選んだというか、ロケーションは良いのだけど元々レストランではなかったし、ヒストリカル・ビルディングにも指定されている。簡単に飲食店が開業できる場所ではなかった。だけど、この建物を眺め入るとすごく熱いものが込み上がってきて。ここで何かを表現したいと、この物件に決めました。

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1F『ZIGU』、2F『PARIS.HAWAII』。場所はワイキキ中心地。クヒオ通りとシーサイドアベニューの交差点をアラワイ運河側に入ったロケーション。オレンジ色の屋根の建物。写真は工事中の様子。

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—— 内・外装、デザインのこだわりは?

稲本 ワイキキのこの界隈がまだ畑だった頃、1939年につくられた建物をいかに現代に蘇らせるかということにこだわった。内装に関しては、天井も当時のままむき出し。むき出しにできるものは、とにかくむき出しにして…。そのノスタルジックな空間に、1階に和食(ZIGU)と2階にフレンチビストロというのを乗せていくとことにより、新しいスタイルが表現できると思う。

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稲本 健一(Kenichi Inamoto)
株式会社DDホールディングス 取締役 海外統括 グループCCO
ZETTON, INC. / President & CEO

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—— 料理のコンセプトは?

稲本 山中の夢は出身地の北海道とハワイで店をやるということだと聞いてる。北海道もアイランドだし、オワフ島もアイランド。彼がつくるフレンチを「アイランド フレンチ」と命名しようと思っている。アイランド食材をフレンチの技法で調理する。限られた状況下にある素材群をどのように生かして表現できるか…。今までは、世界中から美味しい素材を集めまくってプレゼンテーションすることが多かったでしょ。でもこれからは、そういうスタイルの時代じゃないと思う。

山中 僕はパリで修行していましたが、かねてから憧れを抱いていたハワイに来ました。料理の技法と島で採れる豊かな食材を生かした独自の世界観を創出し、提供していきます。

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山中 祐哉(Yuya Yamanaka)
Paris.hawaii / Executive Chef

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昨年11月下旬に開催したトライアルディナー。開催場所に選んだのは「Park Lane(パーク レーン)」。今ハワイで一番の富裕層向けのコンドミニアムだ。

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—— なぜトライアルディナーを開催しようと?

稲本 まず、舌の肥えた方々に山中の作る料理を味わっていただきたい。1年半〜2年かけて温めてきたレストランなので、日々食材も変化していく状況下で新しい技法も取り入れていかなくてはいけない。腕を回し始めるという意味も含めてゲストの方にお越しいただき、ディナーを楽しんでもらい、その反応を体感したいと開催しました。

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—— 独創的なこの料理。食材・盛り付けのポイントを教えてください。

山中 使用している食材は牡蠣とクレソンです。山からの綺麗な水が流れ込む海でしか美味しい牡蠣は育ちません。また、クレソンも水が綺麗なところでしか育たない植物。二つとも同じようなミネラルを持っていますので、牡蠣と合わせると不思議とすごく合うんです。

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山中 シーフードオンリーのイメージが強い牡蠣なのですが、山の恵みも加えることによって牡蠣本来の旨味が出ます。山の緑のイメージをかき立てる盛り付けにしています。

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緊張感漂うトライアルディナー。ひと段落したタイミングでキッチンの中にお邪魔し、二人に質問してみた。

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“ハワイへの強い憧れ、そして夢の実現へ”

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—— お二人は出会ってどのくらいですか?

稲本 出会ってから4、5年だよね?

—— 稲本さんはその頃から全く変わらないですか?

稲本 俺はそんなに変わらないよね?

山中 変わってないです…。

稲本 自分でも変わった気がしないんだよね(笑)。

山中 全然変わらないのがすごいです。

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—— 山中さんは、ハワイに来ることへの迷いはなかったんですか?

山中 なかったですね。全然(笑)。

—— それは稲本さんから来いと言われたから?

稲本 山中が「来たい」って言ったんだよ、最初に(笑)。俺が「来い」って言うよりあいつが来たい方が先だよ。俺が「来い」って言ったんじゃないよな(笑)。

山中 はい。「行きたい」と言いました(笑)。ハワイにずっと憧れていたので。

稲本 しかも、ハワイに一度も行ったことがなかったんだよ(笑)。

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山中 初めてのハワイは、稲本さんと一緒でした(笑)。

稲本 その時、どうしてもサーフィンしたいって言うから連れて行ったんだけど、血まみれになって帰って来て。北海道出身だからスノーボーダーで、サーフィンをなめて、一発目からチューブに入れるぐらいの勢いで来たけど、そもそもポイントにたどり着けなかった(笑)。

山中 なめてたわけじゃないですよ(笑)。

稲本 ああいうのをなめてたって言うんだよ(笑)。

山中 難しかったですね、サーフィン。

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—— サーフィンの上手いフレンチシェフを目指してる?

稲本 サーフィンの上手い全米一のフレンチシェフぐらいを狙っていかなくちゃいけないんですけど。今のところ、サーフィンが上手いというところはクリアできました(笑)。

山中 料理が上手いサーファーになりたいなと。

稲本 それはもうクリアしてるんじゃないの(笑)。

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“できる限りハワイ素材を使用。大変だけど意義がある”

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—— やはり素材はアメリカ産にこだわる?

稲本 アメリカじゃなくて、ハワイ素材。まずはハワイ素材を吟味していく。その中でハワイで手に入らないものは、なるべくメインランドから。もちろん、日本でしか手に入らない調味料等は日本から仕入れます。

—— ハワイ素材で何パーセントぐらい?

山中 かなりパーセンテージは高いですね。塩もハワイですし。

稲本 50%以上はハワイ食材かな。理想は100%だけど、できないよね。

山中 難しいですね…。オリーブオイルは採れないですし。

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稲本 採れないものもたくさんあるね。例えば、海苔がないとか。ないものはないと割り切っている。

食材もロジスティックが脆弱だから、自ら買いに行ったり、生産者の方にも直接足を運ぶ。日本だと流通機能、宅配便含めて発達してるじゃない。ハワイにはチルド便等は無いからね。

そういう意味ではすごく大変だけど、挑戦する意味は大きい。

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“世界的潮流はノスタルジック。ハワイ流に表現する”

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—— 築79年のノスタルジックな建物で、どのような料理表現をしていこうと?

稲本 僕が山中に求めている料理も含めて、ガストロノミーの世界観なのだけど、今、美食的料理の中では温故知新というか、昔の料理をもう一度蘇らせるコンセプトが増えている。技法もあえて昔の薄荷(ハッカ)を使ったり、子どもの頃に食べたキャンディーの形をモチーフにした料理など、ノスタルジックな表現が世界的潮流になってきている。

例えば、イギリスの「ザ・ファットダック」は分子ガストロノミーの第一人者ヘストン・ブルメンタールがシェフを務めるガストロのトップランクレストラン。そこの料理は最新の技術にノスタルジックなプレゼンテーションで攻めてくる。

ハワイという場所柄、そういうものを意識しすぎるわけではなく、ノスタルジーがただ古いだけの懐古趣味に陥らないようにバランスを大切にして表現する。そのさじ加減は、お客様の反応を見ながら変えていかなくてはいけない。ニューヨークだったらOKな技法や演出も、ハワイでは難解に映ってしまうので。

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“ターゲットは世界中の美食家”

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—— どのようなお客様にお越しいただきたいでしょうか?

稲本 ワイキキのみならず、ハワイ全体は各国からたくさんの人が訪れますが、ハワイに縁遠い国の人、例えばヨーロッパ圏の人たちや、日本でも「ハワイって美味しいものないでしょ」なんて、未だに言っている人もたくさんいるし。

そのような方々も含めて、新しいゲストがこの店のためにハワイまで足を運んでくれる。そんなお店にしていきたいと思っています。

—— 日本向けにどういう発信をしていこうかと?

稲本 「日本に向けて」という発信のスタイルはとらない。もちろん取材オファーがあれば受ける。でも基本的には「世界に向けて」発信していく。

世界の美食家の間で「ハワイにも面白いお店があるらしいよ」って評判になって、パリやロンドン、ニューヨークからプライベートジェットで世界を駆け巡ってるような人が「ちょっとハワイに寄って旨いもの食べようか」なんて言って、立ち寄ってくれるシーンを目指したい。

—— 年齢層的には若い人も取り込む?

稲本 そう。フレンチを食べ慣れていない若い人が山中の料理を食べて、料理に興味を惹かれて渡仏する人が増えたり。逆に、フランスやアメリカのガストロノミーを味わい尽くした人たちが店に来て、「新しいね、この料理」なんて思ってもらえる、そんなイメージ。

それは決して、フォアグラやキャビアなどの高級食材をただ大袈裟に盛り付けるということじゃない。様々な素材に真摯に向き合う。

リーズナブルに楽しめるメニューも増やして、ローカルの若い人たちにデートでちょっと背伸びして本物の料理と触れ合ってもらったり、ハワイに訪れる若い観光客の方にもハワイの食材や料理を楽しんでもらいたい。

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PARIS.HAWAII
パリ ハワイ

〈住所〉
413 Seaside Ave Ste 2F Honolulu, HI 96815

〈営業時間〉
DINNER / 170020:00スタート BAR / 20:002500

〈定休日〉
月曜日

〈電話番号〉
808)212-9282 *電話受付時間:火曜日~日曜日 15:0023:00

公式URL
http://www.paris-hawaii.us/

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