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チアーズウェデイングを率いる 岸下こころさんにインタビュー。【後編】

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ハワイ挙式とウェディングフォトを展開しているチアーズウェディング(運営:合同会社CHEER)。現在、年間約1,200〜1,300組のフォトツアーと約300組のプロデュースを行っています。

そんなチアーズウェディングを率いる岸下こころさんに、インタビュー !! 普段の仕事内容やこれからやりたい事、今後の目標などについてお話ししてくださいました。

今回はその後編を(前編はこちらから)お届けします。

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“素敵なウェディングを追求し続ける”

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—— 岸下さんのような経営者兼プランナーの立ち位置の方は他にもいらっしゃるんですか?

少数派だと思います。私は、お客様にとってより良いウェディングを常に目指したいと思っていますので、小物やリースなど様々なアイテムを製作したり、その時々に必要な商品も開発したりしています。

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ゲストテーブルにコーディネートする可愛いチャームとフルネームが刺繍されたハンカチーフ。

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チアーズウェディングでは新郎新婦のお二人やゲスト方々に喜んでいただけるような演出を常に提案している。

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また、この表参道サロンのレイアウトを決めたり、京都祝言ではアートワークを含めたデザインプラン等、コンセプトメイクを行ったりもしました。

今はそのようなプロデューサーとしての仕事をメインにしていますが、プランナーとして過去に担当していたお客様からのご紹介で指名されることもあるので、そのような場合にはアシスタントをつけてお引き受けしています。

—— ご自身の立ち位置は今後どのように

近い将来、プロデューサー業務もスタッフに引き継いで、私は他の事業に取り組まなければと思っています。京都祝言も含めて、これからもウェディングビジネスで勝ち続けていくには、もっと素敵なウェディングを考えないと生き残れません。

そのためには、ドレス事業が必須であると考えています。イメージは、基本セレクトで一部オリジナルデザインで提供してみたいですね。今、その前段階としてアクセサリーデザイナーさんと一緒にジュエリーのデザインも始めています。

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アクセサリーデザイナーとコラボしたウェディングイヤリング&ピアスの提案もスタート。

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“競争激化のハワイウェディングを多角化戦略で戦い抜く”

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—— ハワイの飲食店は近年出店ラッシュで、4,000シートほど増えたと聞きますが…。ウェディングにも影響はあるのでしょうか?

コンドミニアムや、式場を備えたホテルの建設も増えていますね。ハワイウェディングは、挙式数が微増でも参列人数が増えていますので、単価が少しずつ上がっています。その状況を鑑みて、参入する企業が増えました。3年前よりも日本国内の大手企業が進出してきています。

そういう意味では、マーケットは減少していませんが競争は激化しているので、多角化戦略が必要です。例えば、チアーズウェディングなら素敵なドレスが着られる、フルオーダーでアクセサリーまで全部揃えられる等、今から付加価値や差別化を実行しなければ、長く戦っていけないと危機感を感じています。

また、今までは日本のお客様しか対応していませんでしたが、アジアの人と結婚式をするメインランドの人たちのハワイ挙式は増えていますし、元々中国や韓国の方には人気があります。

ハワイのスタッフは現在、社員が7名、全員現地採用です。OPT*1という形で1年間の研修中のスタッフも1名います。日本語も英語も話せますし、中国語も堪能なスタッフもいるので、今後はハワイに住んでいる人もターゲットと想定して、マーケット調査に力を入れてみたいと思います。

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“女性が長く働ける環境を強化”

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—— 今後、CHEER(チアー)の責任者としてやりたいことはありますか?

男性のウェディングプランナーの必要性も感じていますね。育ててみたい(笑)。今、ハワイも日本も女性のスタッフだけですので、彼女たちが結婚しても出産しても長く続けて働ける環境づくりを強化したいと思います。

アメリカの場合、特にハワイは子どもを育てるのが非常に難しい環境です。例えば、ハワイでは12歳以下の子どもを一人で家に置いていると虐待になってしまうので、絶対一人で家に放置してはいけないんです。ハワイには電車もないので、中学・高校への通学は車での送り迎えが必要になります。そのような環境なので、働けるお母さんたちはすごく制限されてしまう。保育園もあまり整備されていませんし、ベビーシッターのシステムもほとんど機能していません。

ウェディングビジネスは、経験を重ねれば重ねるほど厚みがでる仕事なのに、子どもを産んで仕事を諦めざるを得ない人が多いので、できるだけサポートしていきたいと思います。

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岸下 こころ(Kokoro Kishishita)
株式会社The Sailing 取締役 / 合同会社CHEER 職務執行者

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ハワイのサロンは、子どもを連れて来てもいい環境構築をすることが一つのプラン。実は私がチアーズウェディングを任せていただいたときに、5年間で実現したいことをスタッフに宣言したんですが、これはその中の一つなんです。

現在、産休中のスタッフがそろそろ復帰できる時期なので、それまでには叶えたいと思います。

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“プランナーはお洒落な人がいい”

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—— チアーズウェディングで働ける素養は何でしょうか?例えば語学は必須とか。

語学が堪能であることは理想ですが、最初はできなくても、努力ができる人であれば問題ないですね。根本的にウェディングが好きなことは前提として、お洒落な人がいいですね。お洒落に興味がない人は向いてないと思います。

例えば、日本の結婚式はお客様が結婚式を挙げる場所を見て決められますが、海外の場合はサロンに来て写真を見ながらスタッフの説明でお決めいただくので、目の前のスタッフが全くお洒落に興味がなくて素敵な人じゃなかったら、素敵なウェディングができるイメージを持っていただけないですよね。

私は、基本的にお洒落は“バランス”だと思っています。決してお金をかけるという意味ではなくて、バランス良くきちんとしている事。例えば、担当者がギャルだったらお客様は嫌悪しますよね。ガッツリつけまつ毛をしていたり、爪が長かったりとか。それはそれでお洒落であるとは思いますが、そのようなスタイルの人がウェディングを販売しようとしても全く説得力が足りない。

お客様はチアーズウェディングのホームページを見てお越しくださいます。他のプロデュース会社より少し単価が高くても、素敵なウェディングができる可能性を感じてくださっているからだと思いますので、担当者がその期待を決して裏切ってはいけないのです。

—— その他、どのようなスキルが必要ですか?

目に見えないコトを販売するので、高度なスキルを要します。日本だと入社してから2、3ヶ月ほどで接客できるレベルに達し、プランナーとしてデビューできますが、海外ウェディングだとその期間では難しいですね。

例えば、日本ではお花屋さんが来て直接お客様と打ち合わせをしますが、私たちは現地のお花屋さんの立場でお花のデザインなども含め提案します。ですので、花に関するリテラシーも高くないといけません。そのような細かなスキルも必要になります。

—— 東京で対応しているプランナーは現地へは行かず、ハワイのスタッフへバトンタッチするということですよね?

はい、そうです。現地のロケーションが理解できないと当然ご提案もできませんので、最低でも一度は視察に行ってもらっています。また、年に一度のロケーション撮影の際に、撮影クルーとして同行する場合もありますね。

結局のところ、「想像と違った」となることが一番危険です。そうならないように、打ち合わせ段階でイメージシートを入念に作成します。例えば、ハワイは島国なので入荷できない花もたくさんありますし、突然入荷しないというケースも…。そのような場合でも、代替ができるようにお客様の好みを把握しておくことで、現地のスタッフが形にできるようにします。

—— お客様のドキドキ感もすごいですよね。

そう思います。でも逆にいうと、それがハワイウェディングの魅力の一つでもありますね。きっちりとした雰囲気やスケジュールで進行する挙式をお望みならば、国内をお勧めしています。

ハワイならではの景色、ハワイ時間と呼ばれるのんびりした雰囲気、実際住んでいる場所と違う非日常的な空気感での挙式が想い出になるとご説明しています。

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“ウェディングにはもっと自由さが必要”

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—— 今、日本のウェディング業界全体をどう捉えていますか?

熾烈な争いですね。熾烈な争いかつ、基本的にウェディング業界は「文化が10年遅れている」と言われています。

今、ファッション業界のトレンドは、ネイチャーとかナチュラルな感じではないじゃないですか。今年だったら、シャネルやエルメスなどもビニールやPVCデザインをコレクションで披露していますし、すでにストリートではブレイクしていますよね。それに比べてウェディング業界では、まだガーデンとかナチュラルみたいなものが主流。それが悪いわけではないですが、もう少しウェディングと日常をいい意味で近めたいと思っています。

結局、ウェディングは誰もが初めてのことなので、ウェディング業界が発信しているものが正しいという解釈をしてしまいます。でも、普段の生活の中でナチュラルなものが好きではない人って、結構いらっしゃる気がしていて…。もう少し自分のライフスタイルに寄り添うようなウェディングの必要性を感じますね。

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—— 挙式スタイルで国内と海外との大きな違いってなんでしょうか?

“自由さ”でしょうか。海外では、挙式でウェデイングドレスを汚す「トラッシュ・ザ・ドレス(TRASH THE DRESS)」というスタイルがあります。もう二度とこのドレスを着ないという意味で、最初で最後であるという意思表示をします。こんなにウィットに富んだ、それでいて深い意味の演出ができる場所が欲しいなと思っています。

また、海外のウェディングだと後半になると皆さん立ち上がって踊ったりしますが、そういう要素があってもいいと思いますし…。日本だと新郎新婦から親族席が遠いですよね。それは本質でいうと違う気がしていて…。結婚は、両親が一番嬉しいこと。だから、海外では両親が新郎新婦の近くに座ります。さらに、未婚の男性、女性が一つのテーブルに座るのですが、そこでまたカップルが生まれたり、両家同士の友達が仲良くなったりします。日本だと、新郎側、新婦側に分かれていますよね。それもすごく嫌だなって思っています。

私は、そのような慣習を払拭したい。海外ウエディングの良い部分を日本でも取り入れて、新郎新婦、列席者全員が心の底から楽しいと思うウェディングを演出したいなと思っています。

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“エンタメ性の高いウェディングに挑戦したい”

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—— ウェディングにもっとエンターテイメント性があってもいいと思うのですが。その点はどう思いますか?

DDグループの一員として思うことは、コンベンションや朝礼で松村代表が発表する時に、“わざわざ”映像を作るじゃないですか。あの“わざわざ”感がすごく面白いなと感じていて…。あのような視点を取り入れたら、もっと面白いウェディングができると思っています。

「思いっきり結婚式で遊ぶ」「結婚式でやり切る」みたいなコンセプトで、今のマーケットにまだ存在していなスタイルを表現してみたい。DDグループにいるからこそできる、エンターテイメント性を詰めたウェディングをいつか実現したいですね。

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*1 OPT(Optional Practical Training)とはアメリカの学生ビザ(F-1)で就学している学生が専攻した分野と関連のある職種で、プログラム修了後に企業での実地研修を行うもの。(F-1)で就学している場合、アルバイトができるのはキャンパス内での仕事に限定されており、キャンパス外で仕事をすることはできない。

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〈前編はこちら〉

● チアーズウェディングを率いる 岸下こころさんにインタビュー【前編】